【思い出話】雨の日にBoz Scaggsを聴いたら必ずあの人を思い出す

こんにちは、アヤです!ブログ連続投稿4日目!

しばらく雨が続きそうな日本列島…

植物には恵の雨と言えど、最近雨のレベルが桁違いで自然災害の数も増えているからとても心配。各所で大雨特別警報が発令されているし。皆さん、どうかご安全に!

さて、2週間実家で自粛生活を送ることにした私は、今日のような雨の日にどんなことをするか。

雨の日と言えば Boz Scaggs (ボズ・スキャッグス)の『We’re all alone』を聞きたくなります。今日は、私が大学時代に出会ったこの曲と、それにまつわる思い出話をさせて頂こうと思います。

Boz Scaggs 『We’re all alone』

『We’re all alone』と言えば、アメリカの超有名バンドBoz Scaggsが誇るAOR =Adult Oriented Rock の代表曲。言わずと知れた名曲ですよね。一度は訊いたことがあるという方も多いのではないでしょうか。私は前職のゲストハウスが昨年9月いっぱいで閉店するにあたり、ゲストハウスのリビングに置いてたギター(社長が買ったやつ?)をもらったのですが、この曲を弾いてみようと試みて挫折しました(笑)

大学時代にこの曲に出会ってから10年近くたちますが、未だに好んで訊いてます。何より歌詞が!バラード調が!めちゃめちゃ雨に合っている。加えて、この曲は私に大学時代のとある記憶を喚起させます。どんな記憶か?これからお話していきます。

片道1時間半かけて大学へ通う日々

当時大学生だった私は、堺市の実家から大阪府枚方市のキャンパスまで片道約1時間半かけて電車+バス通学してました。これが遠かった~。バスを含めると乗り換えも3度あったし。高校は電車で2駅の距離だったので、慣れるまでは結構大変でした。

そんな折。ポータブル音楽機器・ウォークマンを買いました。PCからお気に入りの音楽をダウンロードして通学中に訊くのが楽しみになってました。(ウォークマンですよ!今の10代~20代前半の若い子たち知ってますか??)

一曲一曲、曲名をキーボードで手入力していたのが本当に懐かしい。

色んなジャンルを訊くけれど、大学生の時はEDMとか激しい音楽よりも、どちらかと言うと甘くてムーディーなほうが好きでした。そんなとき出逢ったボズ・スキャッグスの『We’re all alone』。多分、母親のCDに入ってたんだと思うけど、一度訊いてすごく好きになったんですね。私はある楽曲を気に入ったら、それをひたすらヘビロテするほうみたいです。

一回乗り換えを経て京阪電車の京橋駅のホームへ。そこから枚方市駅まで、15分は同じ電車の中で過ごす毎日。『We’re all alone』訊いてる時は車窓を眺めながらボーっとしてるか、課題をやってました。

レベルの高い授業に必死についていく日々

大学1、2年生の頃、Insentive English Skills (略してIES)という授業を週5で履修していたのですが、この授業がまぁすごかった。担当講師は英語を母国語とする外国人。指定される教科書も、配布されるプリントも全て英語。もちろん授業中の会話は全て英語。我々生徒たちも日本語を話すことは一切禁じられていました。

発言する前に「えぇっと~」「あの…」などと一つでも感嘆詞を入れようものなら容赦なく減点され、減点が8つになれば単位を取ることができなくなるという恐ろしいものでした(笑)

IESの授業内容もさることながら、担当講師から出される課題がかなりヘビーで。クラスメイトとひーひー言っていた覚えがあります。ちなみに苦楽を共にした当時のクラスメイトたちとは今でも連絡を取り合ってますよ。ともに苦境を乗り越えた仲間たちとの絆はやはり強い。

10月のその日も冷たい雨が降っていました。授業が終わってから自習室で課題をし、クラスメイトと英語劇の練習をし、枚方市駅から電車に乗る頃には午後10時半になろうとしていました。

私は「やれやれ」と座席深く腰掛け、リュックポケットからウォークマンを取り出し、イヤホンを装着。また『We’re all alone』を訊き始めました。

イヤホンから聞こえる♪Outside the rain begins ~ (雨が降り始め~)の歌詞通り、雨が窓を叩いています。

(また明日も1限からか…6時50分には家出なきゃいけないのに、帰ったらもう日付変わってるかも)

などと思いながら扉の方に目をやったのです。

するとそこにはスーツ姿のひとりの男性の姿が。私は驚きのあまり目を疑いました。彼をもう一度見たら、やっぱり。

男の人もこんな風に泣くんだ

午後10時半すぎ、京阪電車の車内にて私が見たのは、扉によりかかるスーツ姿の男性。

私の2つ年上ぐらいに見えた彼は…..人目もはばからず泣いていました。

私だけではなく、他の乗客も騒然としていました。

「ううぅ……」

目頭を押さえながらむせび泣く成人男性はこの時初めて会ったかもしれない。

(え…..!!!!! な、泣いてる !?)

これ以降の記憶は断片的なのですが(おい、オチなしかい)目の前の光景が『We’re all alone』の曲調に妙にマッチしていたことをはっきりと覚えています。その時も雨だったし。

家に帰ってからも泣く男性の姿が脳裏から離れなくて、「あの人はどうして泣いてたんだろう」と一人悶々と考えました。私とそんなに歳は離れていないように見えた。2つ3つ年上だとしたら、就活生?もしくは、新入社員か。就活や仕事で上手くいかなかったのかな。それにしてもあんな大人が公衆の面前で泣くなんて、余程コテンパンにされたのか…。

2年後、大学4年生になった私は泣いていた彼と同じように就活戦線に乗ってリクルートスーツに身を包んでいました。(結果、まともに戦えないと判断した私は早々に戦線離脱したけれど。今の就活方式って、私が学生だった時と変わってないのかな?私は2015年卒です。)

「まだどこにも採用通知を貰っていない」「早く就職先を決めなければ」

学内にいる友人たちの疲弊・憔悴っぷりは日に日に増していくのを感じました。

当時いい仲だった同い年の彼も、数十~百社にエントリーシートや履歴書を送るも、手元に届くのは不採用通知(当時お祈りメールと呼ばれていました)ばかりで、自身を失くしていました。

「お前は社会に要らない」と言われているに等しい絶望感が、若者たちの表情を暗くしていく。そんな状況下で、私は2年前に電車で泣いていた“彼”のことを思い出さずにはいられませんでした。名前も知らないお兄さん、どこかで元気にされていたら良いのですが。

出だしの歌詞が描写している「雨」「泣いている人」

Outside the rain begins
And it may never end
So cry no more, on the shore a dream
Will take us out to sea
Forevermore, forevermore

外は雨が降り始めて
やみそうにもない
泣かないで、浜辺にでれば
夢が沖までいざなってくれるから
いつまでも、そうずっといつまでも

雨が降っていて、泣いている人がいて。

私は京阪電車の中で、歌詞の内容をそのまま実写化した光景を見たんですね。10年近く経った今でも鮮明に思い出します。

忘れられない記憶の一つ

誰にでも忘れられない記憶の一つや二つはあると思います。私にとってBoz Scaggs の『We’re all alone』はその記憶の一つを思い出させるトリガー。

雨だと出かけるのも億劫になりますよね。今は特に、時節柄どこかに出かけることも慎重にならざるを得ない。そんな時はムーディーな音楽をBGMにコーヒーを飲むのも、乙なものですよ。

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