地元の高齢者vs.若手移住者

日本は10年以上前から全国的に人口減少・少子高齢化が進んでいますね。

地方ではその傾向がより顕著です。

高等学校や大学がないことを理由に、地元の若い人は都市へ転出していく他なく、過疎化に拍車をかけています。

自宅からひとたび車を走らせれば近所には空き家がいっぱい…

例外なく、ここ本宮町も深刻な少子高齢化のあおりを受けています。

大阪府出身の私自身をカテゴライズすると移住者にあたるわけですが

日々、観光協会職員として地元の方々とも交流させて頂いていて

17時15分に退勤した後に帰る先は、最近増えてきた若い移住者の受け皿となっている真新しいゲストハウス。

位置づけとしては地元民と移住者のちょうど中間あたり。

どちらにも属さない稀有な存在、ニュートラル?な私が

地元民と移住者の間に横たわる分厚い壁と、その理由、解決策について検証していきたいと思います。

私の住む和歌山県田辺市本宮町

熊野本宮大社のお膝元である和歌山県田辺市本宮町。

田辺市の令和2年度の統計データによると、人口は2587人。高齢化率は約33%です。

(日本の各都道府県の平均高齢化率:28.7%を上回っている)

本宮町には2015年に3000人を切ったという報告も残っているので、人口減少のペースはここ数年で上がっている模様です。

若者とシニアの違いを感じるポイント

長い目で見れば、私も20代ということで本宮町内では若者に入るのですが

51歳離れた79歳の父がいることもあり、父の友人を始め高齢の方とは幼いころから割と親しくしてきた自信があります。

それでも、何というか、世代間の認識の違いの大きさをまざまざと見せつけられて

さすがの私も度肝を抜かれることも…

連絡手段

シルバー世代たちが未だに電話やFAXなどの紙媒体に依拠する一方で、

若い世代は主にメールやLINEなどのコミュニケーションツールを使用している。

LINEなどのSNS>メール かなぁ。今となっては。

(職場は電話とFAXの応酬。帰宅したらslackでビデオカンファレンスしてる女子大生がいる、という状況)

ちなみに自宅にFAXを受信・印刷するプリンターがそもそもないという場合も少なくない。

私が現職に就いた2020年の8月、FAXという言葉を久々に聞いた…と感動に似たものを覚えた。

QRコード

Wikipediaによると、QRコード(キューアールコード)は、1994年平成6年)に自動車部品メーカーであるデンソー愛知県)の開発部門(現在は分離しデンソーウェーブ)が発明したマトリックス二次元コードである。

よく見る四角いあれだ。モバイルのカメラで読み取ると即座にそのサイトに飛べるという。

ポスターや観光パンフレットの端っこに載っていたりする。

多くの若者たちにとって、QRコードを読み取ることはもはや日常的で、

特定のURLをweb上でQRコード化することなど造作もないであろう。

ところが未だにガラケーと呼ばれる携帯電話を使用し、2021年時点でLINEを使っていない猛者も存在する。

彼らはQRコードを作ることはおろか、何なのかすら知らないというのだ。衝撃。

2000年生まれの21歳たちの中には初めて持った携帯電話がスマホだったという人もたくさんいる。

これではお互いに理解しあおうと言っても難しいだろう。

インターネットとの親和性

人生の先輩方。

老人に対する若者の偏見だなどと言わずに最後まで聞いて欲しいのだが、

シルバー世代たちの多くは自分の知らない事象に対してとにかく「食わず嫌い」が激しい。

誰かが話す言葉や書いてある文章にカタカナがいくつか混じったりすると、もう理解できない!と

聞くことや読むことをやめてしまう。

52歳になる私の母親も完全にそのタイプで、

“インターネット”という単語を聞くと思考のシャッターをガラガラとおろしてしまう。

wi-fiが繋がらないだの、LINEがおかしくなっただの、しょっちゅう連絡してくる。

正直、先に自分で考えてからわからなかったら連絡して欲しい(苦笑)

何がこの状況を生んでいる?打破するにはどうすれば?

相互理解を深める

何事も本質を理解せぬまま、自分の知らないものだから、という理由だけで忌避してはいけないと思う。

私も20代のはしくれ。FAXに依存している体制や、QRコードを知らない先輩にはびっくりしなかったと言えばウソになるけど

だからと言って、遠ざけたりバカにしたりなんて絶対しない。

そんな便利なものがあるのね!と喜んでくれたら嬉しいし、興味を持ってくれるなら教えたい。

かくいう私もslackやtiktokやclubhouseに着いていくのが必死で、明日は我が身だと痛感する。

50や60になっても今でいうinstagramを使っているイケてる人でいたいなぁ。

そして、人生の先輩たちも私が知らないことを沢山知っているから。そういうのを教えて欲しいと思ってる。

お互いに自分が知っていて相手は知らないことを教え合っていける関係性を築きたい。

そういうのをwin-winって言うんだよ。

「若いから~」「年だから~」という決めつけを捨てる

自分にはどうせできない、と決めつけて

最初から取り組もうとさえしないのは非常に勿体ないと思う。

私のようにフランク永井の歌を知っている20代もいれば

70代でinstagramを楽しんでいる人もいるのだから。

臆病で腰が重い自分にも言い聞かせていることだが、やってみたら意外と出来ることは多い。

私がしたいこと

私は「〇か×か」「白か黒か」などの二元論はキライだし

どちらでもある、どちらでもない、という解も確かに存在すると知っている。

物事は必ずしもスパッと綺麗に切り離せやしないんだから。

だから「老人と若者」という二元論にも疑問を呈したい。

個々の偏見やグループ化を止めて、いろんな世代のいろんな人をmixしたいと思っている。

どうしても似たような人たちと集まりがちだけれど

シルバー世代向けにPC講座

あらゆるもののインターネット化が進んでいく時代において、

生物学的にたとえ生い先短いと言おうとも、今後ウェブサービスへの理解は不可避だと言っても過言ではないはず。

確かに変化の速度は信じられないほど早く、

インターネットが誕生するずっと前から生きてきて先輩たちにとっては

インターネットに掌握された現在の状況がある意味では信じられないのかもしれない。

それでもQRコードやgoogleドライブについて知りたい・理解したいという人たちに、

私は自分の知り得ることを伝えるよ。それはもう、懇切丁寧に。

観光協会職員であるうちに、実現したいことの一つである。

まとめ

「死」は私たちの誰一人として逃れられないもの。

だからこそ、守り育ててきた大事な文化を、これからを生きる若い世代に継承していくことは必須と言えます。

移住してきた熊野の山奥で日々実感させられるのは

「当たり前」が違うさまざまな世代の人たちの間で、同じ情報を誤解なく「伝える」ことの難しさ。

シルバー世代と若い世代の互いに歩み寄る姿勢が求められます。

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