楽しいのは、苦労や試行錯誤があるから
皆さんは今、何が欲しいですか?
欲しいものや自分のなりたい姿は三者三様。今現在はまだ到達できていないけどこうなれたら良いな~というさまざまな理想があると思います。
私にも欲しいものいろいろありますよ。いつでも旅行行ける状態になりたいな(これは半分達成)とか、個人事業主として新しい仕事を受注できたら良いなとか。
もしそれらに簡単に手が届くとしたら?嬉しいでしょうか。確かに最初は嬉しいと思います。
でも人間ってすぐに慣れるし、苦労や試行錯誤をショートカットして手に入れたゴールって意外とつまらないかもしれません。
私にそう思わせてくれたエピソードを紹介しますね。
大阪市内の宿泊施設に勤めていた数年前、登山を愛してやまない女性の先輩がいました。
彼女は当時から忙しい合間を縫って長野県に足繁く通い(多い時で月2)、コロナ禍が明けてからはミャンマーにも行っていたみたい。目的はもちろん登山。
そんな山を愛し山に愛された先輩と、アウトドアとは縁遠い万年運動不足の私にひとつだけ共通点がありました。それはお酒が大好きなこと。
なので先輩とは仕事の後によく一緒に飲みに行ったりもして沢山話をしました。
私には素朴な疑問がありました。登山にはしんどい思いをするイメージが強かったから(やったことないのに)、登山に魅了されてわざわざ険しい山に足を運ぶ先輩の気持ちを知りたかったのです。
私「どうして山に登るんですか?」
先輩「山頂で美味しいビールを飲むためだよ」
私「え?ビールなら地上で飲めるのに…」
先輩「そうね。でも山で飲むのとは全然違うよ」
たしかに。
コンビニやスーパーでお金を払えばビールはすぐに手に入れられるし、何の気なしに毎日飲めるけど
薄い空気の中、時には危険を冒しながら険しい山道を何日も歩いてやっとたどり着いた
数千m級の山の山頂で飲むビールとはわけが違う。
そんなビールは私は飲んだことがない。
アマゾンで昨夜注文した商品を今日自宅で受け取った時、思ったんですよ。
最近の私たちは「欲しい」と思った物があまりにも簡単に手に入りすぎるのかもしれない。
なんでもすぐ手に入ることに慣れてるから、手に入ったありがたみも少ないし(すぐ手元に届いて当たり前)、逆に思い通りにならないとすぐイライラしてしまう気がします。
形のある商品だけじゃなくて、自分の中のもやもやに対する答えや他人の気持ちまで「すぐ手に入る理論」を適用しておかしくなっちゃう場合も。
「スマホ時代の哲学」という本の中に、魚釣りをしている人に魚を手渡すと怒られるよって話もあったなぁ。
「楽しむ」と「苦労する」って実はニアリーイコール、ほとんど一緒なのでは?と思えてきませんか。
途中で苦労が多いほど、最終的に手にしたものの価値が上がるんですから。
先輩、元気かなぁ。
私は登山は相変わらず未経験ですが、ビールは1日やることやった一番最後に飲むことにしてますよ。
ビールは例えとして弱いかな(笑)たやすく手に入らないから良いんだよって話をしたかった。皆さんもどんどん苦労しましょうねー。